フィレンツェのざわめき
2005.10.14
今日でペルージャとお別れだと思うと、朝日に照らされる
赤茶の瓦屋根(に見える)が、その渋い色合いに一層の
深みを帯びているように見える。
でこぼこの石畳の道とか、あちこちに汚物(たぶん犬の糞)が
落ちている広場とか、中学生らしい子供達で満員の騒々しいバスとか…。
また来るからね、と誓いながら駅構内のバールで朝食。
しっかり腹ごしらえして、列車が来るまで「地球の歩き方」の
フィレンツェのページや持参した小説を読んで過ごす。
ユースホステルで見かけた白髪の老婦人も駅にいた。同じ列車に
乗るみたいだ。
あの人はどうして一人旅しているのかと同行者とあれこれ想像してみる。
列車に乗って、窓からの景色を見る。
「美しい田園風景」を地で行くような景色。少し飽きている
自分に気づき、ちょっと笑ってしまう。
フィレンツェに無事に到着。ホテルも何とか決まる。
2泊の予定で、1泊1人につきeuro32.50。
当然だけど、ペルージャのYHの3倍近い値段。
手持ちの現金も尽きかけたのでアメックスへ行き、
さんざん待たされてT/Cを換金してもらう。
これから全財産を持ち歩くのかと思うとかなり不安だが、
換金したことで少しホッとしてご飯を食べに行く。
セルフサービスの安いレストランで久しぶりにポークのステーキを食べる。
同行者は店員さんと気が合っており、自分はもうすぐ仕事が終わり、
これから別のレストランへ仕事に行くと言っていた。
その後、どこか飲みに行こうと誘われていたが、
仕事が終わるのが深夜12時半との事で断っていた。
食後、腹ごなしにミケランジェロ広場まで歩く。
通りかかった美術館やドゥオーモも観光客だらけ。
車もいっぱいでかなり疲れた。
でもミケランジェロ広場から眺める、夕陽を浴びた
フィレンツェの街は文句なく美しいと思った。
ここで2人の地元の人と出会った。
1人は同行者とちょっと別行動してひとりでぶらぶら
している時、杖をついたおばあさんと一緒に散歩中の
おじいさんから「中国人か?」と訊かれた。
もう1人は同行者が知り合い、ミケランジェロ広場から
更に丘の上にある教会が美しいと勧めてくれた、
英語が上手でやたら陽気なおじいさんだった。
広場よりさらに高台にあるから、街の眺めもより素晴らしく
教会内部も見事だった。
どうしてそんなに詳しいのかと訊いたら、ここは私の生まれた
街だからだ、と胸を張っていた。
そんな風に思えることを素直に羨ましいと思った。
フィレンツェの夜景はまた美しかった。
10.14の出費
バス euro1.00
バール euro2.60
ディナー euro11.60
水とチップス euro6.00
ホテル代 euro32.50